飲食店・レストラン
オペレーション改善事例紹介

現場を変えたいなら数百回の指導より1つのオペレーション

たったこれだけのことが何度言っても現場に浸透しない

「何度言っても現場に浸透しない」ということはよくある。いや、浸透しない事ばかりであり、むしろ滲透することこそ稀なのではないか。指導をしたスタッフは、その場では理解しているはずなのに、なぜか次に気づいた時には、そのスタッフは指導前の状態に戻っている。

トリノ・ガーデンを設立して間もない頃に都内で飲食を複数業態を多店舗展開する企業の経営者から「現場を教育することが出来るマネージャーを育てて欲しい」という依頼を頂いた。具体的に背景を伺うと、社長が現場に行く度に、前回チェックして指導したことが徹底されていなく、その度に現場マネージャーを指導しているのだが、一向に現場スタッフに浸透される気配がないということだった。

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カフェ需要を取り込んだランチ営業と、夜はパーティーや合コン需要を取り込んだ都内のカフェレストランで、客席数も100席近くありスタッフは常時7~10人程度で運営しており、スタッフの接客レベルは決して低くはなく、料理の評価も悪くない。マネージャーも社長から言われた指摘を、都度都度スタッフに話していて、特に怠慢な行動があるわけではない。
「お水のリフィール(おかわり)は、お客様言われる前に気づかなきゃ!」
「ファーストオーダーはなるべく早く。お腹の空いているお客様に何度も呼ばれるのは論外!」
「お客様に追加のドリンク注文は、グラスが空になったら積極的に提案してね!」
「なぜいつも灰皿交換が出来ていないのか?」
社長曰く「たったこれだけのこと」が、どうやら2年間も浸透出来ていないようだ。

問題は、指導しても改善できないスタッフではなくオペレーション

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お客様に食事中のストレスを減らし快適に過ごしてもらうため「テーブルを良く見るようにしよう」という指示を繰り返し繰り返し指導しても、何故現場には浸透しないのだろうか。

問題は、「料理を早く提供すること」「オーダーを早くキッチンに通すこと」「来店されたお客様をお席まで案内すること」等の基本オペレーションを適正な人件費の範囲で行うことが求められている上で「テーブルをよく見るようにしよう」という「意識」へ働きかけていることにあります。ただでさえ必要最小人数で営業している現場に「意識を変え、行動を変える」ことを求めるのは容易ではないため「まずは、行動(=オペレーション)を変えてから、意識を変える」アプローチを提案しました。

具体的に導入したオペレーションは、まずお客様から「すみませ-ん!」と呼ばれた回数を毎日カウントすること。計測用カウンターを用意し「すみません!お水下さい」と言われれば1カウントという風に毎日計測し、マネージャーが入客数に対し何回すみませんと言われたかの推移を張り出し続けました。

テーブル(お客様)が気になってしょうがない仕組み

そして、入客数に対し何%「すみません」と言われているのかをKPIにしてから10日後、、、
あるスタッフが表を見ながら「人員が十分なのにすみませんが多い日は、着席時にまずメニューブックを渡し、その後お水を席に持っていけばお客様が私たちを呼ばなくても注文できるんじゃないですか~」と口にしました。
その発言をきっかけにマネージャーは現場スタッフの声を拾い、結果KPIがどう変化したかを日々フィードバックしてあげることを続けました。くれぐれも現場が虚偽報告をしないよう数字について叱咤することを避け、現場スタッフの気づきを助長することに注力しました。

これまで「テーブルをよく見よう」と2年間指示し続けても変わらなかった現場スタッフが、「如何にしたらすみませんが減るか」「どうしたらすみませんが減ったか」ということを自然と会話するようになり、テーブルを見るように変わるまで、日にちはかかりませんでした。

スタッフに優秀さを求める前にオペレーションの見直しを

一般的に「注意する」や「意識する」という指示は、個人のモチベーションや意識レベルに起因するため、浸透しにくく、指示の結果が曖昧になる傾向があります。
一方で「何個か数える」や「何処にあるか探す」など行動レベルの指示は、指示したアウトプットを数字に記録・推移として残すことが出来るため、数字を見るたびにスタッフが思い出したり、気づく回数が増え、結果浸透する確率が高くなります。
そして「今日は〇%だったよ~」という管理者から現場へ適切なフィードバックを行うことが出来れば、現場スタッフの「気づき」を日に日に伸ばすことが出来ます。

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何百回指示しても変わらなかった現場スタッフが1つのオペレーションへ変更により大きく変わっていく事例を目の当たりにする度に、人材採用が日に日に困難を極めているサービス業では、スタッフに意識レベル(優秀さ)を求めるのではなく、具体的なオペレーション(すみませんの数字を数え日々集計を目にする)を見直すべきだと信じています。

特に、直接的に付加価値を提供する役割の人間が組織上最も低い給与帯という飲食店においては、経営者は、現場スタッフに生産性を強く求めるのではなく、オペレーションに求めることで、サービス業における生産性の改善ならびに労働環境の改善が少しでも進むことを強く願っております。

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