解像度の高い属人的なプロセスの可視化
── 当社のサービスをご利用いただくに至ったきっかけは?
大須賀さん:「横浜家系ラーメン 町田商店」を展開する株式会社ギフト様、トリノ・ガーデン様でオペレーションを科学的に分析してもらったことで、かなりいい成果があったと知って、ギフト様からトリノ・ガーデン様を紹介いただいたのがきっかけです。
サービス内容を聞いても、最初はピンと来ないメンバーもいたみたいなんですが、当社は行動心理学に基づいた研修などを過去に実施していたこともあり、オペレーションを分解して改善していく、という内容は個人的にはとても興味深かったですね。
最初のプロジェクトとしては、2020年に食事主体の業態である「鳥と卵の専門店 鳥玉」を新業態として立ち上げたため、その立ち上げサポートをお願いしました。
当社の母業は居酒屋チェーンの「串カツ田中」であるため、食事業態のノウハウはまだまだ未開拓でした。
そんな中で、社内だけで一からオペレーションを設計するとなると膨大な年月がかかるだけでなく、どこかで不都合が生じてしまうだろうと思いまして。「ぜひトリノ・ガーデン様にサポートをお願いしましょう」となりましたね。
入り口としては「鳥玉」の業態立ち上げだったわけですが、事前に期待していた以上にとても良い結果が出たので、これはぜひ「串カツ田中」のオペレーション改善もお願いしようとなって、2業態のオペレーション分析に参画いただいたんですよね。
── 実際にプロジェクトを実施してからの印象は?
大須賀さん:これまで、社内には「ESやCSを上げるためにこの数字を追いかけましょう」という漠然とした指標はあったのですが、その数字を達成するために具体的にどんなプロセスが必要なのか、どこをどう頑張ったらいいのかということが可視化されていなかったんです。
指標はあるけれど、そこまでのプロセスは属人的と言いますか。
この点、トリノ・ガーデン様は現場をしっかり分析したうえで、課題の炙り出しやその解決策、追うべき指標というのをロジカルに提示してくれて、とにかくわかりやすかったですね。
ここで見つかった指標やオペレーションを「標準モデル」として、今でも社内マニュアルとして活用しています。
数値だけではない分析結果の表現が
社内の伝達スピードを上げた
大須賀さん:売上げが高い店というのは、スタープレイヤーのようなスタッフが大体1人はいるものです。もともと当社は、そういうプレイヤーをもっと輩出しようとしていたわけですが、じゃあ彼らのどこが具体的にすごいのかという点はなかなか言語化しづらいため、「あの子なんかすごいよね」というところで止まってしまっていたんです。
ところが、トリノ・ガーデン様にお願いすると、このスタープレイヤーと他のスタッフの動きの違いを動画分析によって可視化して、明文化することができる。
その違いというのは、本当に細かい部分なんですけど、そこに気付けるかどうかで売上げが変わるんですよね。
私自身は、結構課題を分析することが好きなんですが、その解像度のレベルが遥かに違うなと思い知りましたね(笑)。
分かりやすい指標と共通言語という収穫
── 新業態だけでなく既存業態の幹部の皆さんも吸収スピードが速かったですよね?
大須賀さん:プロジェクトがスタートした当初から、比較的みんな好意的と言いますか、抵抗感というより、逆に「そんな考えがあるんだ!」みたいな感じでしたね。
単に分析してもらうだけでなく、分析報告会で話してもらう色んな学術的な背景や事例が印象に残っていて、その時聞いた考え方は、社内メンバーの会話にも出てきます。
たとえば、トレーニングを担当していた現場スタッフからは、お客さまの入店時の対応一つとっても、大きく変わったという声を聞きます。
今までは、「入り口にお客さまがいらっしゃったら対応する」という作業フローだったのが、「3秒以内に必ず声をかけよう」という数値目標ができて、これをスタッフ全員で共有して徹底しているということでした。
「3秒」が共通言語というか、みんなが共有できる指標をあらゆるシーンで設定していただいて、しかもこれがわかりやすい。
われわれのように店舗数が増えてチェーン化している組織では、どの店舗でも、誰もが同じように作業をできるように、オペレーションでも何でも標準化する必要があるわけですが、その点、わかりやすい共通言語を作っていただいたというのは大きな収穫となりました。
── われわれは御社にとって、どのような存在でしょうか?
大須賀さん:当社に関しては、「鳥玉」という新業態の立ち上げサポートと、ある程度オペレーションが定まっていた「串カツ田中」の業態ブラッシュアップというある種方向性の異なる2つのプロジェクトでお世話になったんですよね。
まったく違う課題に対して、そしてDXなど複数の複雑なテーマに対して、それぞれ全力で向き合って結果を出してくださったので、そうした点で、やはりプロフェッショナルだなぁという印象ですね。
あとは、チェーン店というのはやはりオペレーションを仕組み化してロジカルに運用していく必要があると思うのですが、この仕組み化する力、そしてこれをブラッシュアップしていく力。
これこそがトリノ・ガーデン様の強みなんだな、と実感しました。