センサーでの取得データの限界を感じ、確かな精度を求めて
── サービス導入時に不安は無かったですか?
大川さん:トリノ・ガーデンさんの取引企業はどこも業界トップ企業が多く安心感があり
ましたが、何より信頼をおいている方からのご紹介で、その方も既に研究領域でトリノ・ガーデンさんとプロジェクトご一緒されていたことが大きかったです。
こういうマニアックなサービスは、なかなか対応できる会社はないと思います。ニッチな強みを持っている会社ということで、そもそもの不安はなかったですね。
一方で、センサーなど様々な調査分析は既に自社でも行っており、センシングにより取得できるデータの限界も感じていたところでもあったので、目視による確かな精度で調査をできるということには、とても安心感はありましたね。
数値だけではない分析結果の表現が社内の伝達スピードを上げた
── プロジェクトが、いざスタートしたときの印象はどうですか?
大川さん:最初の調査報告書のレポート資料には驚きました。
こちらがやりたいことを汲み取って調査分析していただいたこともそうですが、数値だけでなく、データの持つ意味や解釈の正確性を計るために、色々な角度から分かりやすくビジュアル化していただいたのは予想を超えていました。
分析結果を私が関係者や社内で説明した際にも、本当にビジュアルとして見やすかったので、「こういうプロセスでこういう分析をした結果こうだ」というところまで、詳細に伝えることができました。
数値数学的な確かさの検証結果を表すために、Excelや数値の一覧がレポートされるであろうとイメージしていました。
ビジュアルのクオリティをそこまで求めていなかったのが正直なところでしたが、検証していくプロセスを分かりやすい形にビジュアル化し、データも図表をインフォグラフィックのようにデフォルメして頂いたことが、そのあと社内外の関係者への説明のしやすさに繋がったのだと思います。
もし、Excelの計算式の数字だけでしたら、それを理解するのに私も社内も時間がかかったと思います。
── プロジェクトを通じてのトリノ・ガーデン社員の印象は?
大川さん:プロジェクト中に試行錯誤することがあっても、こちらの課題に対して、色々な事を前向きに捉えて、ソリューションやアイデアを出していただきました。
決められたサービスメニューではなく、こういうことも出来ますよと提案してくれる会社としての懐の深さ、広さを感じる印象がありました。
他には、報告資料で分かりやすいグラフィック表現をしていただいたことで、御社のメンバーの中で、どのように解釈して考えてこられてきたかという、思考整理の過程が伝わってきました。
社内の他のメンバーよりもトリノさんの方が分かっていると思って色々と相談できました(笑)。
── プロジェクトを通じての変化は?
大川さん:検証で細かく精緻なデータを積み上げているから、新しい解釈が生まれてくる。どのプロジェクトも、このようなプロセスは同じなのだろうと思うようになりました。
例えば、センサーの検証のときには精度が何%かという1つの答えを出すだけではなく、検証で得られたデータから、サービス全体での新たな強みや弱みが発見されたということが大きかったです。
他のプロジェクトであるリモート会議の検証実験でも最初はスペースとガジェットの組み合わせの中でどれが一番良いかみたいな結論になるところを、それ以外にも影響を及ぼす要素が見えてきたということがありました。
この様な新たな可能性を探る幅の広い視点は今後も活かしていきたいと思います。