科学的なアプローチで顧客の体験価値を向上

  • クライアント名

    株式会社トラムスコープ

  • 分野

    外食・食物販

  • プロジェクトテーマ

    収益・生産性の改善

    組織への浸透スピードの改善

  • 主幹部署

    経営企画/戦略

    営業/教育

  • プロジェクト実施期間

    2プロジェクト/1年3ヶ月(インタビュー2024年12月当時)

株式会社トラムスコープ様は、世界一食パンが売れたギネス認定の販売個数を保持されている「スペイン窯 パンのトラ」を中心に、レストランなど展開されていらっしゃる企業様です。
多くのファンのお客様に支持され地域に根付いているなか、更にお客様の体験価値の向上と、働くスタッフの就労体験価値を、科学的な根拠に基づき磨くことを目論みオペレーション分析をご導入頂きました。
弊社との取り組みにいたる経緯や、オペレーション分析導入後の感想など、代表取締役である加藤様にお話をお伺いしました。

課題感

・来店されたお客様の体験価値を向上したい
・働くスタッフの負荷を減らし就労体験を豊かにしたい
・科学的な根拠に基づきお客様・スタッフ双方にとっての体験価値を高めたい

何をおこなったのか

・来店されてからお客様の体験されるプロセスを可視化
・お客様が経験する機能的価値と情緒的価値の両面から課題と伸びしろを定量化
・お店で働くスタッフ身体的/心理的な負荷を数値化し、負荷に影響を及ぼす課題を抽出
・抽出した課題に対する改善アクションを実施・検証
・改善アクションを実施することによる変化を定量化し、対策を内製化するOJTの実施

どうなったか

・体験プロセスを定量化したことで、顧客体験の潜在的な課題を抽出し、幹部を中心とするプロジェクトメンバー内で「パンのトラ」において目指すべき体験価値を定義
・働くスタッフの心理的な負荷が生じる根本原因と対策を抽出
・お客様の体験価値を向上する施策の検証により、スタッフの就労体験への変化を可視化
・お客様、スタッフの体験価値を向上する施策をトラムスコープ社内で継続実施するための手引きやガイドラインを作成し、プロジェクトメンバーでの再現を確認
・抽出した課題への対策実施、検証結果から軌道修正する改善サイクルの内製化

「待ち時間」すらも楽しい時間に。

── 加藤社長は、当社のサービスをご利用いただくかなり前から、当社を知ってくださっていたんですよね。

加藤さん: ええ、ある雑誌の編集長から「すごい人がいるぞ」と、トリノ・ガーデンの中谷社長のことをご紹介いただきまして。組織のオペレーションを観測して、細かい指標まで計測して分析して、KPIを独自で見つけ出してくれる、と聞いて、非常に興味が湧きました。

ただその頃は、当社も組織としては未熟な部分も多く、トリノ・ガーデンさんに依頼しても、その分析を受けるだけの土壌がまだ整っていないと感じていたんですね。

そこから3年近くかけて、地盤固めをしていって、組織としてもしっかりしてきたな、というタイミングで改めて依頼させていただきました。

「待ち時間をいかに減らすか」ではなく、「いかに楽しませるか」と言う問いへシフト

── 実際にサービスをご利用いただいたご感想をお聞かせください。

加藤さん:今は店舗に設置したカメラから分析し検証を終えて、改善アクションを社内メンバーでも行えるよう内製化の最終段階ではあるのですが、まず当社が依頼した目論見は、顧客満足度を上げていくことでした。

もともと、私たちが課題に感じていたのが、入店してからパンを選び、会計に至るまで、どうしてもお客さまを待たせてしまうということ。この課題に対しては、売上げや効率だけを考えたら、待ち時間をなくして回転率を上げるという結論に行き着きがちです。

でも、トリノ・ガーデンさんに言われたのが「ディズニーランドのようなテーマパークに置き換えて考えてみましょう」ということ。

テーマパークにおけるアトラクションは、われわれパン屋にとってはパンを選ぶという行為とも言えます。テーマパークでも待ち時間が発生するのが当たり前ですが、待ち時間も楽しめるような工夫があります。

そこで「会計待ち」の時間にパンの食べ比べのクイズを導入するなどして、待ち時間も楽しんでいただくような施策をご提案いただき、導入しているところです。

私自身も、実はこの「待ち時間」について、薄々、繁盛店や行列店に行くお客さまは前提にしているのでは、と思っていたんです。そもそも待つことや並ぶことが嫌な方は、そういったお店に自ら足を運ばないんですよね。

そうした顧客心理を理解した上で、テーマパークの例にたとえて、「さらに楽しんでいただこう」とご提案をしてくださったことは、自分がうっすら考えていたことを肯定してもらえたようで嬉しかったですし、また「次のステージへ行く時だよ」と背中を押してもらえたような気持ちになり、一層身が引き締まりました。

紋切り型の分析では辿り着けない問題点の炙り出しと解決策の提案

── 当社への印象の変化などはありましたか?

加藤さん:プロジェクトを進める中で、いくつか課題が出てくるわけなんですが、その課題の原因を毎回、クリティカルに突いてこられるのがやはりすごいなと思いました。

企業が抱える問題って、大抵は「人間関係」に集約されると私は考えているんです。中には、どうも低次元に思え、恥ずかしくてお伝えしていなかったような問題点もあるんですが、そうした問題点を、こちらから言わずとも当ててこられるんですね(笑)。

隠したい、けれど我々自身も潜在的に問題視していたような点を、「ここがボトルネックです」と、突いてこられるわけです。それも目に見える形や数字にして指摘されるので、この会社はすごいなと。いわゆるマニュアルに沿った分析や作業では、決して辿り着けない問題点だと思うので。

トリノ・ガーデンのサービスの主幹を成す、データや計測って、ある種機械的なイメージですけど、実際の組織の課題はもっとファジーな部分や、人間の情緒の中にあると思うんです。

でも、トリノ・ガーデンの皆さんは、中谷社長を筆頭に、そうした人間の繊細な情緒の機微にすごく目を向けて理解されているから、データだけ見ていたら導き出せない答えが出てくるんだと思いますね。だからそのファジーさと、データの正確さの両面がある。

仕事の可視化によってスタッフ一人ひとりに芽生えた当事者意識と主体性

── ありがとうございます。今回のプロジェクトを通じて、社内での変化は何か見られましたか。

加藤さん:一番は、トリノ・ガーデンさんの分析を通じて自分達の仕事がより鮮明に可視化されたことで、社内の人間一人ひとりが「指示されたからやっている」のではなく、自分自身で当事者意識と責任をしっかりもって、仕事に取り組んでくれるようになったことですね。

プロジェクトを通じて、スタッフがより主体的に考えて動けるように、育てていただいたという感覚がありますね。

── 最後に、当社のサービスを知る前のご自身に、伝えられることがあるとしたら、どんなメッセージを送りますか。

加藤さん:そうですね、今モヤモヤしている答えの出ない問題は、数年後にある会社と出会って、すべて解決してくれるから安心しろ、と言うと思います(笑)。

当時の自分自身がそうだったので言えることですが、トリノ・ガーデンさんのサービスは、課題を深く考えすぎて、困り果ててがんじがらめになっている人たちにこそ、「効きます」とおすすめしたいですね。

  • クライアント名

    株式会社トラムスコープ

  • 分野

    外食・食物販

  • プロジェクトテーマ

    収益・生産性の改善

    組織への浸透スピードの改善

  • 主幹部署

    経営企画/戦略

    営業/教育

  • プロジェクト実施期間

    2プロジェクト/1年3ヶ月(インタビュー2024年12月当時)

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